子どもが失敗したときにどんな言葉をかけていますか?
子どもの成長に挑戦はつきものです。もちろん挑戦すれば成功するときもあれば、失敗することもあるわけです。
成功した時はもちろん思いっきり褒めますよね。では失敗した時はどんな言葉をかけていますか?
失敗したときの親の言葉の選びは、その後の子どもの人生が変わってしまうくらい重要なことなのです。
子どもの失敗でどんな言葉をかける?
子どもの失敗パターンはいろいろありますが、もし自分の子どもが体操の競技会に出場しリボン(賞)を取れなかなたときのことを想像してみてください。
9歳のエリザベスは初めて体操の競技会に出場しました。
最初の種目は床運動で、エリザベスは1番目に演技をした。なかなか素晴らしい演技だったが、途中で採点方法が変わったりして、入賞をのがしてしまった。他の種目でも検討したが入賞には手が届かず、結局、1日を終えてリボン(賞)をひとつももらえなかったエリザベスはすっかり落ち込んでしまった。
あなたがエリザベスの親ならどのような声をかけるでしょうか?
次の5つのうちどれか選んでみてください。
どうですか?
1つ選びましたか?
結論から言えば【⑤お前には入賞できる力がなかったのだ】が最も正しい選択です。
子どもの失敗から守る言葉の弊害
ではなぜ①〜④は正しい選択ではないのか説明します。
①おまえが一番うまい
1番うまければ当然、賞を貰えたはずだし、嘘だと言うことを子どもは気づいています。嘘の言葉で褒められても全然嬉しくありません。
親は自信を持ってもらうために選んだ言葉なのでしょうが、逆に子どもは自信を失ってしまうきっかけになる可能性もある言葉なのです。
②おまえがリボンをもらうべきなのに判定がおかしい
賞が取れなかったのは他人(審判)のせいだ、と自責ではなく他責の問題としています。もちろん賞が取れなかったのは自分の演技で点数が取れなかったので自責の問題です。このように他人せいにしてしまう言葉を選んだ親は、いつも何かあれば他人のせいにしていませんか?
子どもは親の言葉から学びます。自分の責任を他人に押しつけるような子どもになってもいいのでしょうか?
③体操で勝とうが負けようがたいしたことではない
こんなことを言われたら子どもはどう思うでしょうか?自分のやっていることを親に否定されたように感じませんか。
一生懸命にやったことを『たいしたことない』とバカにされたようにいわれるとやる気も消えてしまいます。
④おまえには才能がありのだから次はきっと入賞できる
『才能がある』はとても危険な言葉です。なぜなら努力をしなくなるから。
最初は努力しなくても上手な演技ができていたかもしれませんが、次第に難しい技や美しい演技を目指そうとすれば必ず壁にぶつかります。そうすると子どもは「自分の才能はここまでか」と、才能のせいにして努力をしなくなってしますのです。
才能という言葉は期待を高めるだけです。努力をしなければ、いつか必ず壁にぶつかり体操から離れてしまうかもしれません。
子どもの成長を後押しする言葉
失敗した時の正しい言葉とは、前に進む力を与える言葉です。ではなぜ⑤が良い選択なのか説明します。
⑤お前には入賞できる力がなかったのだ
実際にはエリザベスの親はこう言ったのです。
「エリザベス、気持ちはわかるよ。入賞目指して思いっきり演技してダメだったんだからそりゃ悔しいよな。でも、おまえにはまだ、それだけの力がなかったんだ。あそこには、おまえよりも長く体操をやっている子や、もっと懸命に頑張ってきた子が大勢いいたんだ。本気で勝ちたいと思うなら、それに向かって本気で努力しなきゃな」
まずは共感し子どもの気持ちを受け止める。
そして、現実としっかり向き合いなぜ賞が取れなかったか、課題を明確にする。
次に向けての行動は何が必要なのか。
失敗から何を学ぶのか、成功のために何をしなければいけないのか、が詰まっているのです。
エリザベスはその後どうなったと思いますか?
努力を重ね、壁が見えないくらいにメダル、トロフィー、リボンを獲得したそうです。
努力すればいつかできる
子どもが失敗してしまったときは、嘘や他人のせいにするのではなく、子どもの気持ちを受け止め、現実と向き合い、次に向けての行動を後押しする言葉が必要です。
『今回は賞を取れなかったけど、まだ賞を取れなかっただけ。努力すれば賞は取れるよ。』そんなメッセージをかけてあげましょう。
子どもが失敗した時は、前に進む手助けをするのが親の役目なのです。