【ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか】の著者ピアーズ・スティール教授は、『先延ばしは3つのタイプに分けられて、それぞれ原因があるよ。だから自分のタイプに合った対策をとらないと先延ばしは治らないよ。』って主張してます。
先延ばしグセがなかなか治らない、今まで色々やってみたけど改善しないって人は、自分の先延ばしタイプにあった対策ができていないのかもしれません。
先延ばしタイプ診断がまだならぜひしてみてください。簡単な質問で診断できます。
この記事では、【誘惑タイプ】の原因と対策について詳しく書いていきます。
誘惑タイプの特徴
【誘惑タイプ】は、目の前の誘惑に負けてしまい時間をムダにしてしまうタイプです。
誘惑タイプの人は衝動に負けやすい、言い換えると衝動性が高い人です。
欲求が強く、警戒心と慎重さに欠け将来のことを考えずに行動してしまうため、先延ばしが起こります。
きっとスケジュールをしっかり立てても、スケジュール通りにはいかないはずです。なぜなら誘惑に負けて違う行動をしてしまうからです。
【誘惑タイプ】は、誘惑に負けない環境を整え、やるべきことに集中することが先延ばし克服のポイントになります。
誘惑タイプの先延ばし対策
自分が嫌な『やるべきこと』に取り組むように仕向ける方法を紹介します。
自分に合った対策を取り入れてみてください。
プリコミットメント戦略
プリコミットメントとは【事前の自己拘束】という戦略です。
誘惑が目の前にきてからでは、誘惑に負けてしまう可能性が非常に高いです。
なので、誘惑が目の前に迫る前に対策を打っておこうという戦略なのです。
戦略は大きく分けて3つある。
- 誘惑を遠ざける
- 事前に欲求を満たす
- ペナルティーを設定する
それぞれ説明します。
誘惑を遠ざける
いつも負けている誘惑を簡単に手の届かない遠くに追いやります。
例えば自分の場合は、ブログを書かずにSNSや YouTubeをみてしまいます。そんな時は、
- SNS、YouTubeのアプリを削除
- ブラウザのブックマークから削除
といったことをおこない簡単に見れないようにしてしまえば良いのです。
他には、
もしゲームをついしてしまうなら、
ゲーム機のコントローラーを本体と離して保管する
テレビをつい見てしまうなら、
コンセントを抜いておく
なんて対策が効果的です。
大事なのは、誘惑を簡単にはできないようにすることです。
もしYouTubeを見たいと思ったら、アプリをダウンロードするか、ブラウザでYouTubeを検索しますよね。この時に『あっ、誘惑に負けようとしている』と気づけることが大事なのです。
事前に欲求を満たす
例えばYouTubeをついつい見てしまうなら、
YouTubeを好きなだけ見て良い時間や日を決めてください。ただし、その日以外は絶対に見てはいけません。
YouTubeを見たいという欲求を事前に満たすことで日々の誘惑に負けにくくなるはずです。
欲求を満たす日や時間をスケジュールとして事前に決めておくことがポイントです。
もし、どーしても見たくなったらこう自分に言い聞かせましょう。『あと⚪︎日したらYouTube見放題の日だ』と。
ペナルティーを設定する
もしも誘惑に負けてしまったらペナルティーが発生するようにすることは誘惑の力を弱めるために効果的です。
例えば、パートナーにお願いしてYouTubeを見ているところを発見したら1000円罰金なんてどうでしょうか。
自分で自分を監視することには限界があります。パートナーなどに協力してもらうと効果が大きいと思います。
注意コントロール戦略
注意コントロールとは【誘惑のきっかけ】をコントロールする戦略です。
誘惑に負けるときは必ず何か【きっかけ】があって集中力を持っていかれるわけです。
誘惑から上手く目をそらせば欲求はどこかに消えてしまいます。
だから、きっかけをコントロールすれば誘惑に負けない人になれるんじゃないって戦略です。
戦略は大きく分けて3つあります。
- ネガティブなイメージに置き換える
- きっかけを取り除く
- ポジティブなきっかけに置き換える
それぞれ説明しますね。
ネガティブなイメージに置き換える
例えばついYouTubeを見てしまう自分は、YouTubeの通知やアプリのアイコンを見ることがきっかけとなり、つい見ちゃうわけです。
そこでYouTubeに対するイメージを悪くしてみましょう。
自分なら『YouTubeは時間泥棒』とか『YouTubeを見るとムダな時間を過ごす』なんて感じでしょうか?
iPhoneであればショートカットを使ってアイコンを好きな柄に変えることができます。
例えば、YouTubeを開くショートカットアイコンを作成して、名前は『時間泥棒』、アイコンは『!』にしてみました。
これならYouTubeを見る前に悪いイメージを抱く→「見るのやめようかな」となれば成功です。
きっかけを取り除く
次に、きっかけはできるだけ取り除きます。
- 通知OFF
- 隠す
といったことをしてみましょう。
自分の場合は、
- YouTubeの通知をOFF
- YouTubeアプリの削除
- もしくはアプリのアイコンを見えなくする(Appライブラリ)
- ショートカットでアイコンを変える
なんてことが効果的です。
ポジティブなきっかけに置き換える
ネガティブなイメージにして遠ざけ、限りなくきっかけを取り除いたら次のステップです。
悪いきっかけが無くって空いた穴をプラスのきっかけで埋めましょう。
例えば自分ならYouTubeを見なくなった代わりにKindleで読書するようにKindleアプリをよく目につく場所においてみる、とかでしょうか。
また『やるべきこと』を思い出させてくれる家族の写真や好きな言葉なんかを目につく場所に貼っても効果的です。
もし恥ずかしいならiPhoneのウィジェット機能を使って写真や画像を表示してみましょう。
サブゴールを設定する
『1度に1mずつ前に進もうとすれば人生は楽勝だが、1度に1kmずつ前に進もうとすれば人生は苦役になる』
これはアメリカのことわざです。
『やるべきこと』も同じで一気に終わらせようとしても辛いだけです。少しずつ前に進みましょう。
ブログを書くなら、タイトルや見出しだけ書いてみる。
夏休みの宿題なら1ページだけやる。
読書なら1ページだけ読む。
行動する最初の壁が一番高いのです。だから最初のハードルは出来るだけ低く設定してあげましょう。
とりあえず手を動かすことが、科学的に最強のやる気アップのテクニックなのです。
だから、見出しだけと思って書き始めたらあっという間に1記事書けてしまいます。
ウソだと思うならやってみてください。
先延ばし【誘惑タイプ】のまとめ
目の前の誘惑に負けてしまい時間をムダにしてしまう【誘惑タイプ】の先延ばし対策を紹介しました。
まとめると、
- 誘惑が目の前に迫る前に対策する
- きっかけをコントロールする
- サブゴールを設定して行動のハードルを下げる
先延ばしの原因の中で誘惑が1番の強敵です。
誘惑に負けない環境をつくって時間をムダにしないことがポイントです。
いろいろ試してみて、自分に合う環境を見つけてみましょう。
参考書籍
ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか